カチーナ村の妖精
すてっちぃ
作:かみん
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カチーナ・ビレッジの願い
アメリカのアリゾナ州、赤い岩山に囲まれた村に、ホピ族の娘・ナヤが住んでいました。
ナヤは赤ちゃんが授からず、毎日空を見上げてはため息をついていました。
「神様、どうして私の腕の中は、こんなに軽いままなのでしょうか……」
精霊のささやき
ある日、ナヤは村の守り神である岩へお祈りに行きました。
すると、岩の精霊が風に乗ってささやきました。
『ナヤよ、あきらめてはいけない。
お前の心の糸で、命を紡ぐのです』
奇跡の誕生
ナヤは3年間、来る日も来る日も祈りを込めて刺繍をしました。
完成した鷹を抱きしめ、涙をこぼしたその時……
刺繍が「パンッ!」と光を放ち、命が宿ったのです!
すてっちぃ、空へ
「ママ、ありがとう! ボクは『すてっちぃ』だよ!」
生まれたばかりの鷹の妖精は、広い世界に興味津々。
「もっと立派になって帰ってくるからね!」
そう言い残し、西の空へと旅立ちました。
第2部:アロハな島へ
すてっちぃがたどり着いたのは、ハワイ・オアフ島。
「わあ、セドナと全然違う! 青い海! みんな笑ってる!」
彼はその陽気な空気が気に入り、そこで暮らし始めました。
アロハな変身
「ボクの体、ちょっと地味かなあ?」
すてっちぃはハワイの花や虹の色を自分の刺繍に取り入れました。
2年後、彼は極彩色の羽を持ち、ウクレレに合わせて踊る
「アロハ・ホーク」に変身していたのです。
奇跡の帰還
「ただいまー! ママ、アロハ~!」
あまりの変わりように驚くナヤでしたが、すてっちぃの底抜けに明るい笑顔に触れ、久しぶりに大声で笑いました。
その明るい「愛(アロハ)」のパワーが、ナヤに本物の奇跡をもたらしたのです。
この物語が教えてくれること
自分らしく
どんな場所にいても、どんな姿になっても、自分が心地よいと感じる姿こそが最高に美しい。
笑う門に福来る
深刻に悩むより、肩の力を抜いて楽しんだ方が、素敵な奇跡が舞い込んでくる。
愛のつながり
離れていても、見た目が変わっても、愛の糸(ステッチ)は決して切れない。
おしまい
The End